富山湾の春を彩る風物詩といえば、「ホタルイカすくい」。
特に八重津浜は、その幻想的な光景と気軽に楽しめるスポットとして知られており毎年多くの人が訪れます。
ホタルイカが波打ち際に押し寄せる「身投げ」と呼ばれる現象は、富山の風物詩。
2025年も2月から5月にかけて、新月の前後2日間に最大のチャンスが訪れます。
私も春の風物詩、八重津浜でホタルイカすくいに初挑戦してきました。
ホタルイカを捕らえキラキラ光る小さな命を手に取った瞬間の感動は忘れられません。
この記事ではホタルイカすくいの魅力と、私のリアルな体験談を交え準備から楽しみ方までをまとめました。
ホタルイカの身投げについて

ホタルイカの身投げとは春に産卵のため浅瀬に上がり、そのまま浜に打ち上げられる現象です。
打ち上げられたホタルイカが砂浜一面で青く発光する幻想的な光景は富山の神秘と呼ばれています。
神秘的な光景を一目見ようと観光客にも人気です。
身投げの条件
ホタルイカの身投げにはいくつかの条件があります。
基本的に言われている条件はこの3つです。
- 新月前後2日の月明かりがほとんどない晴れた日
- 南よりの風が吹く日
- 前日に雨が降らず、川が濁っていない日
地元の人の話ではもう少し条件が加わってきます。
- 時間は21時から4時頃までがよい
- 波は低くく落ち着いている状態
さらに新月が加わると確率が跳ね上がります。
複数の条件が重ならないとホタルイカは現れないため運の要素が高です。
ホタルイカに会える新月の日

新月前後2日の月明かりがほとんどない晴れた日という基本に従うと良いです。
身投げが起こりやすい2025年の新月の日は下記の通りです。
- 2025年2月28日(金)
- 2025年3月29日(金)
- 2025年4月28日(月)
- 2025年5月27日(火)
この4日間の新月の日と前後2日間は身投げが起こりやすい日とされています。
できれば3日連続で通いたいです。
新月前後はホタルイカに会う確率がぐんと上昇します。
2025年がダメでも来年があります。
ホタルイカに向けて装備もしっかり整えましょう。
ホタルイカすくいに必要な準備と道具
ホタルイカすくいを体験して必要だと思った道具を自分の失敗を交えてお話しします。
道具がないと出来ない遊びなので、性能は妥協せず比較的安価に1式を揃えられる様にしました。
- ウェーダー(¥4,500)
- 網(¥1,500)
- ヘッドライト(¥3,000)
- 防水防寒着(¥6,000)
- クーラーボックス(¥4,000)
特に重要なのは上の3つです。
予算1万円あればホタルイカ捕獲装備は揃えることが可能です。
防寒着は代用可能ですし、クーラーボックスもピンキリです。
ウェーダー

胴長とも呼ばれる胸まである防水のズボンです。
胸までカバー出来るタイプの方が作業がしやすく、後々まで楽が出来ます。
ワークマンのウェーダーも安いのでどちらでも良いと思います。
ウェーダーは転ぶと溺れるので、ライフジャケットも合わせて検討してください約3,000円前後です。
波が0.5M以上ある場合は私の使用しているラジアルブーツだと心許ない状態でした。

膝丈までのブーツは波が0.3Mくらいの穏やかな時には使用可能です。
これより短い長靴は基本的に海にはほぼ入れないと思ってください。
網

網は水中でもしっかり使用できるものを購入してください。
100均の網はかんたんにへし折れます。
網の形状も丸型や三角型がありますが、三角の方が捕獲しやすいです。
砂浜ではなく防波堤でやる場合はウェーダーが不要になるので、網にお金をかけてください。

防波堤の上からライトを照らしてホタルイカを獲りたい人は5M程度の網が必要です。
私が使用している2Mの網では寝そべって水面にギリギリ届くか届かないかという状態でした。
網目は細かい方がよいですが、細かすぎると水の抵抗が高くなり折れる危険性があります。
ヘッドライト

ヘッドライトはホタルイカを見つける要なのでできるだけ明るい物を選んでください。
新月の真っ暗な夜にヘッドライトを月と勘違いし、ホタルイカが寄ってくるためです。
18650バッテリーを使用できるヘッドライトはめちゃくちゃ明るいのでおすすめです。
防水の防寒着

ウェーダーだけだと水濡れ対策が少し不安なので、防水の防寒着があると便利です。
普段使いの防寒着にカッパでも対応可能です。
洋服のままだと最悪濡れた時に寒いので、体力を根こそぎ持っていかれるのを防ぐためです。
クーラーボックス

イカは鮮度が大切なので長距離移動する場合はしっかりとしクーラーボックスが良いです。
気温が低いので保冷性能は求めなくても気にならない場合は、発泡スチロールで良いです。
近くのコンビニにも発泡スチロールと氷が売っているので、ホタルイカをすくえたら買うのも手です。
節約したいなら100均の保冷バックと発泡スチロールの組み合わせがよいですが、長時間の移動には不向きです。
またコンビニなどで凍ったペッドボトルを購入して保冷することも忘れずに。
富山・八重津浜でのホタルイカすくいスポットとアクセス
ホタルイカの身投げで有名な富山県の八重津浜ですが、アクセスにはちょっと遠いです。
富山インターから道路が空いていれば車で30分前後です。
車の場合はこちらの方が駐車場が広いので奥まで行けば止められると思います。
電車の場合
電車の場合は岩瀬浜駅をつかって岩瀬浜海岸がおすすめです。

路面電車から徒歩7分くらいで到着します。
八重津浜より狭いですが、問題なくすくえます。
基本的にこの2地点が主な場所になると思います。
そのほかは地元の人たちがチームを組んで情報共有しているので、初見ではあまりわかりません。
また地元の人は声かけても無視する人が居るかもしれませんが、気にせず話しかけまくって平気みたいです。
私のホタルイカすくい体験談

ホタルイカすくいは、ただ海に網を入れるだけじゃない。
寒い深夜、波間に漂う淡い小さな光を追いかけるアトラクションです。
2025年3月の夜、私は富山・八重津浜で初めてホタルイカすくいに挑戦しました。
期待と緊張が入り混じる中どんなことが待っていたのか、成功も失敗もリアルに振り返ります。
初挑戦の感想と捕獲量

初めてのホタルイカすくい、頭の中は「どんな感じなんだろう?」でいっぱいでした。
夜21時過ぎ、八重津浜に着いたとき、海辺の駐車場はすで沢山の車が集まっていました。
浜辺ではヘッドライトの光がチラチラ揺れていました。
長靴を履きいざ海へでたものの、全く見つからないので「本当にいるのかな?」と不安に。
30分粘っても60分粘っても一向にホタルイカは見えません。
休みと浜の様子を見にいくのを永遠7時間ほど繰り返しました。
朝方ついに浜辺でキラッと光る小さな影をキャッチ。

それが私の初ホタルイカで、青白い光をみた途端に寒さも忘れるくらい感動しました。
夜中に7時間ほど頑張って、捕れたのは全部で3匹。
前日までは沢山取れていたらしく、外れの日だったため消化不良な感じが残りました。
しかしホタルイカが網の中で青白く光る光景をみた瞬間に「これが富山の神秘」と感動できました。

夜の八重津浜のは50cm波があり少し波があるなと感じつつも朝まで休憩を挟みながら探し続けました。
明るくなると遠くの北アルプスのシルエットが徐々に見えてくるにつれ、圧倒的な富山感を味わいました。
苦労したポイントと工夫
初めてのホタルイカすくいからから学んだことをまとめました。
これから挑戦する人への参考になればと思います。
初めていって苦労した点は3つです。
- 寒さ対策の重要性
- 波の高さの見極め
- 明るいヘッドライトの必要性
寒さ対策は重要
3月の富山はまだ冬です。
ジャンバーとズボン2枚の防寒対策と着替え(特に靴下)はしっかり準備しておいてください。
さらに水濡れ対策のレインコートも必要です。
指先も寒いので防水、防寒の手袋も必須でした。
長期戦にも備えて温かいものが作れる道具もあると便利です。
波の高さの見極め

夜中の海に入るのは非常に怖いです。
いきなり目の前にくる高い波には対処できません。
極力波の低い日を選びましょう。
予報が外れて波が高い場合はどこまで行けるのかですが、0.5Mまでは問題ないです。
それ以上になるとテトラポットを超える波の高さになるため正直に言って怖いです。
また、ウェーダーを着ないと砂が待っている状態でホタルイカを探すことになります。
波打ち際ではかなり見つけにくいので、波が高い時様の装備も必要でした。
長靴で行けると思っていましたが、ウェーダーは必須でした。
明るいヘッドライトの必要性

ヘッドライトは出来るだけ明るいものが必要です。
私は夜釣りをするのでライト複数持っていましたが、正直暗くて探しにくかったです。
夜釣りでは手元が明るければ問題ない程度ですが、イカ探しには向いていませんでした、
地元の人が胸につける投光器と爆光ヘッドライトを使用している意味がよく理解できました。
ホタルイカすくいのテクニックとコツ

ホタルイカすくいは運要素が強めですが、攻略方法は一応あります。
タイミングの見極め
ホタルイカのみなげが起きやすい条件はこの5つです。
- 新月前後2日の月明かりがほとんどない晴れた日
- 南よりの風が吹く日
- 前日に雨が降らず、川が濁っていない日
- 時間は21時から4時頃までがよい
- 波は低くく落ち着いている状態
この5つのポイントを押さえつつ新月前後がタイミングです。
2025年どのチャンスは後2日です。
- 2025年4月28日(月)
- 2025年5月27日(火)
効率的なすくいかた

夜は思いのほか暗いのでしっかりとしたライトが必要です。
ホタルイカを引き寄せるための投光器、イカをすくうためのピント合わせ用のライトが必要です。
砂浜からだとあまり深さは気になりません、が見つけやすさが違います。
また波が穏やかなテトラの真ん中の方がすくいやすいです。
波がテトラの間から入ってくる場所は波が立ち、泡で白くなっているので非常に見つけにくいです。
歩きながら網を固定してそのまま移動するか、投光器に集まったイカをその場ですくうスタイルです。
注意点と安全対策

ホタルイカすくいは楽しい体験ですが、夜の海辺での活動には注意が必要です。
寒さや波、周辺への配慮をしっかり押さえて、安全に楽しみましょう。
私の失敗談も交えながら、初心者でも安心して挑戦できるポイントを紹介します。
すくえたホタルイカの食べ方についても確認しておきましょう。
ホタルイカは生食しない
ホタルイカには旋尾線虫が寄生する可能性があるため、生食は避け加熱調理を推奨します。
腹痛や虫が皮膚を移動した痕が肌に残るなどの症状が嫌なら熱処理してください。
現地で食べる場合はジェットボイルなどでお湯をささっと沸かして食べる事を強くお勧めします。
私も使用しているジェットボイルシリーズですが、ちょっとした時に役に立つので持ってて損はありません。
出汁で茹でたり、塩茹での後に酢味噌和えなどが代表的な調理方法です。

また、刺身にしたい場合は-20度で7日以上、-40度で40分以上冷凍すれば刺身で食べることができます。
家庭で使うにはコスパと性能面で良い冷凍庫を紹介しておきます。

冷凍庫を買うか医者に通うかはあなた次第ですが、現地での生食はかなりリスクが高いです。
寒さ対策
春先の富山湾は、夜になると気温がぐっと下がります。
私のは4月に行きましたが、深夜に冷たい風に震えました。
防寒着だけでなく手袋の防寒やカイロも忘れずに持っておいてください。
ゴム手袋の下に軍手などを重ねると冷えを防ぎつつホタルイカを扱いやすくなります。

体や手先が冷えるとホタルイカ探しに支障が出るので、持っていると便利です。
ライフジャケットの推奨
夜の海に入るなら、ライフジャケットは絶対に着ましょう。
八重津浜は浅瀬が多いですが、波が急に高くなるとバランスを崩しがち。
さらにウェーダーを着ている時に沖に引っ張られると、足が浮いてしまうので溺れます。
私は膝までしか入らなかったので大丈夫でしたが、時より波に引っ張られるのを感じました。
ライフジャケットはネットで約3,000円前後で購入可能です。

深夜の海で転ぶと、あなたが身投げをする事になるので上のような簡素なタイプでもあった方が良いです。
ウェーダーを使用するならなるべく嵩張らない方が良いです。
また自動膨張のライフジャケットは波で膨らむので、手動式にしてください。
ライフジャケットはあなたの身投げを防いでくれるだけでなく、命を守る保険となります。
漁師や近隣への配慮
八重津浜周辺には漁師さんや地元住民が住んでいます。
ゴミは必ず持ち帰り、騒音は出さないようにしましょう。
深夜に大声で話すと意外と響きますし、駐車場でのマナーも大事です。
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ホタルイカを茹でる時に使うジェットボイルですが、使用感が気になる人もいると思います。
新しく購入しようかなと思っている人は必見です。

まとめ
ホタルイカすくいは、富山ならではの体験です。
この記事で紹介した道具、タイミングやコツ、安全対策を押さえれば、初心者でも素敵な思い出が作れます。
気になったら2025年の新月(2月28日、3月29日、4月28日、5月27日)を狙ってみてください。
ホタルイカに残念ながら会えなかったら2026年があります。
2026年の新月の狙い目はこの4つです。
- 2026年2月17日(火)
- 2026年3月18日(水)
- 2026年4月16日(木)
- 2026年5月16日(金)
青白くキラキラ光るホタルイカを見つけた時の感動は一生ものですよ。
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