ニジマスの燻製を作ってみたいけど魚の燻製って難しいと考えている人が多いようです。
燻製を本格的に作り始めて5年が経ったのである程度作り方がわかってきました。
今回のニジマスの燻製はニジマス釣りから始まりますが、作る部分とポイントをまとめておきます。
初めての方やもう少しこだわって作ってみたいと言う人向けです。
準備
まずはニジマスを釣ります。
釣り方は参考記事に載せておきますので興味があればのぞいてみてください。
大きさは25-50センチ位の大きさが最適だと思います。
*50センチ以上のニジマスは脂が乗っているので燻製の難易度が上がります。
準備のコツは内臓、エラ、尻尾付近の血合を綺麗歯ブラシなどを使用して綺麗に取り除きます。
この作業で手抜きをすると腐敗につながりますので十分に時間をかけて行います。
特に血合とエラは腐敗しやすいので注意が必要です。
今回は25匹のニジマスを燻製を作ります。
ソミュール液作成
下処理を丁寧に行ったニジマスを味のついた塩水に漬ける作業です。
この作業で燻製の味や保存期間など出来に影響が出てきます。
大抵塩分濃度は10%~15%で作るのが一般的です。
私は大体11%前後の塩分濃度で仕上げています。
水:3L
塩:330g
日本酒:10ml
ハーブ類:適量
これらを鍋に入れ1煮立ちさせます。
ハーブはお好みで良いのですが、何を入れたらいいかよくわからないと言う人はこちらがお勧めです。
1、スパイスアップイタリアンハーブ
2、クレイジーソルト
1のスパイスイタリアンハーブはカルディーで取り扱いがあります。
2のクレイジーソルトは比較的大きなお店に行けば取り扱いがあります。
ソミュール液を冷やしている時にニジマスの下準備をしておくと効率的です。
漬け込み
ニジマスの下準備が完了してソミュール液の粗熱が取れたらソミュール液にニジマスを浸して味を染み込ませていきます。
漬け込む時のポイントはニジマスに空気があまり入らないようにする事です。
お腹を上に向けてソミュール液を注げばお腹に空気が溜まって味にムラが出る事を避けることができます。
漬け込む場合は45Lのゴミ袋など大きな袋を使用すると良いです。
空気がうまく抜けないと思いますが、お風呂で一気に空気を抜くと上手に空気抜きができます。
コツはお風呂のお湯が袋の中に入らないように充分に注意して空気を抜くことです。
漬け込み時間にもいろいろありますが、長期的に保存する予定がある場合は1~3日くらいつけ込みます。
保存場所は冷蔵庫ですがヒレなどで袋が敗れて大惨事とならないように袋は二重か三重にしておいた方が良いです。
塩抜き
ソミュール液で十分つけ込みをしてそのまま燻製にしてしまうと塩分が強すぎて食べれません。
そこで塩抜きという作業をする必要があります。
塩抜きはソミュール液をどんどん捨てていって水を加えていくイメージです。
最初にソミュール液の大半を流してから水を加える方が効率的です。
塩抜きのコツは魚に直接水を当てないことです。
水が直接当たってしまうと身が崩れてきてしまう原因になります。
味見も大切です。
30分くらい水をチョロチョロ流し続けて塩分を減らしたら味見をします。
味見はすこしだけ切ってフライパンで焼くという簡単な作業です。
沢山食べたくなりますがここは我慢しながらすこし切っては味見を繰り返しましょう。
すこし薄いかな?という感じになったら塩抜き完了です。
乾燥
塩抜きが完了したら次に乾燥させる作業があります。
取り損ねた腹わたや血合の取り忘れ確認を行います。
心臓だけ取れていないことやエラの取り残しはここで取ります。
乾燥中の腐敗を防ぐためにこの作業は慎重に処理します。
乾燥を促進するためピッチシートという乾燥用のシートを使うと程よく水分が抜けて味美味しくなります。
水分は抜けるけど旨味は凝縮されるというイメージです。
使用しているピッチシート
オカモト ピッチシート 浸透圧脱水シート
リード おいしくなる調理給水シート
使い方
シートの使い方ですが、余分な水分を拭き取ったらシートを魚に密着させるように貼って使います。
これで魚に含まれる余分な水分や臭みを吸い取ってくれるイメージです。
大体1番使用して翌朝に剥がしています。
物によっては1~3時間くらいで良いのですが、ニジマスがすこし大きいので長めにシートで水分を抜いてあげます。
そこから風通しの良い日陰で1日前後乾燥させます。
乾燥のコツは直射日光が当たらない風通しの良い場所を選ぶことです。
ハエや猫よけのためにネットなどで覆っておく事をお勧めします。
直射日光対策に日除ネットを使うのも良いです。
最高気温が高いとニジマスに含まれる脂が出てきてしまって燻煙しても煙がつかなくなります。
乾燥のコツは滲み出た油を最後に拭き取ると良いです。
燻煙
十分な乾燥ができたらいよいよ煙を当てます。
方法は冷燻と温燻の中間の燻煙をします。
冷燻:15度~30度 1日~数ヶ月
温燻:30度~80度 数時間~1日
私の燻煙はすこし特殊で温度は25度以下 6時間燻煙で作成しています。
温度計を使い大胆かつ冷静に燻煙をしていきます。
燻煙のコツは燻製チップなどに脂が落ちて火が出ないようにする事です。
最悪火事になるので注意が必要です。
スモークウッド
私は管理が楽なこちらのスモークウッドシリーズを使用しています。
今回は強い香りがつくリンゴを使用しました。
1本が3分割されており好きな燻煙時間を選ぶことができます。
1本90分の目安ですが時間よりいつも長めに燃えているイメージです。
利点は温度管理と時間管理がしやすい事です。
電熱機も持っていますが温度管理が難しいのでウッドスティックに落ち着きました。
温度が上がりすぎるとニジマスの油が滴ってきて非常に残念なことになります。
スモークウッドは100均のジッポオイルを少ししみ込ませて火をつけると簡単に着火できます。
燻製機について
燻製機は大きめのものを使用しています。
今まではダンボールを組み合わせたり燻製専用のBOXを使用していました。
しかしニジマスが大きい事と燻製にできる数が少ないため自作の燻製BOXを使用しています。
燻煙が完了したらしばらく風に当てておくと風味が落ち着きます。
私は燻製BOXに入れっぱなしにして翌朝に回収という感じで風味を落ち着かせていま
以前はこちらの商品を使っていました。
しかしちょっと小さいのでしたにダンボールで増築していました。
小さな箱で煙を焚いてダクトに煙が流れて燻製BOXへと流れます。
ダクトを使うことで煙の温度が下がり燻製BOX内の温度上昇を防ぐことができます。
保存
基本的に冷蔵または冷凍保存で保存します。
冷蔵の場合は早めに食べた方が良いです。
水分が抜け切っていないので長期間放置しておくと腐敗する可能性があります。
2週間くらいは冷蔵庫でそれ以上は冷凍庫位の管理で保存しています。
意外な使いかた
燻製は手間暇がかかるため市場では高価に売られています。
そのため人にあげるとかなり喜ばれます。
余裕があれば田舎の農家のようにすこし多めに作って物物交換するということも可能です。
ニジマスの薫製がいろいろな物に化けます。
・高級お菓子
・高級蜂蜜
・三陸産ワカメ
・干し柿
・佃煮
・ハム
・パウンドケーキ
などなど価値が分かる人はそれなりの返礼品をくれるので別の楽しみかたもできます。
あわせて読みたい記事
過去に作った燻製の感想まとめが気になるかたは参考にどうぞ
まとめ
それぞれのコツをまとめました。
準備:内臓、エラ、尻尾付近の血合を綺麗歯ブラシなどを使用して綺麗に取り除きます。
漬け込み:コツはお風呂のお湯が袋の中に入らないように充分に注意して空気を抜くことです。
塩抜き:魚に直接水を当てないことです。
乾燥:滲み出た油を最後に拭き取ると良いです。
燻煙:燻製チップなどに脂が落ちて火が出ないようにする事です。
作れるようになると結構奥が深く楽しめますので是非チャレンジしてみてください。
夏場はキャンプなどで温燻か熱燻をするとその場で楽しめます。
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